ダイエットを難しくするのは、人間の体に生得的に備わった”アラーム“が原因なのかもしれない。
ラットのダイエット実験
実験用のラットは、ダイエットを繰り返すほど、体重が減るまでに時間がかかってしまう。
ダイエットのサイクルを3,4回繰り返すと、摂取カロリーを減らしても増えた体重は減らなくなる。
これはヒトを含む全ての生き物が、進化の過程のなかで飢餓を乗り越えるために、
体重を一定に維持しようとする仕組みである。
ダイエットすると身体は飢餓の危険を察知し、できるだけ脂肪細胞を手放すまいとする。
このリバウンド効果によって、ダイエットを試みれば試みるほど太っていく、という残念なことになる。
この罠にはまらないもっとも効果的な方法は「ダイエットしない」こと。
すなわち身体に飢餓状態のサインを送らないことだ。
飢餓感 VS 意志力
ダイエットしているひとは、頭のなかで1日に摂取する上限のカロリーを決めていて、
なんらかの理由でそれを超えてしまうとその日のダイエットは失敗と見なしてしまい、
「もう取り返しはつかないのだから、今日は楽しんだ方がいい」と考える。
これは専門用語で「逆調節的摂食」と呼ばれるが、すべての生き物は空腹になると徐々に飢餓感が高まり、
最後は「このままだと死んでしまう!」というアラームが鳴り響くようになる。
ダイエットというのは、このアラームを意志力によって無視することだ。
アラームを無視し続けると、次のような悪循環にハマってしまう。
①ダイエットは意志力で食欲を抑えつけるので自我消耗の状態になる
②脳はエネルギーを供給するグルコース(ブドウ糖)を摂取しなければならない
③食べないようにするためには食べなくてはならない
では、悪循環を断つにはどのようにするべきか。
ここでは二つの方法を紹介する。
【おすすめダイエット法その1 】
適切な食事量を摂取したらすぐに歯磨きをする
→空腹を感じたとしても、こで食べたらまた歯磨きをしなくてはならない」という面倒くささが、
夜食を避けることを手助けする。これが「習慣の力」だ。
【おすすめダイエット法その2 】
体重の変化をこまめに監視する(レコーディングダイエット)
→ベルトのあるズボンやウエストのぴったりしたスカートをはくこと。
お腹が苦しくなると、そのサインに気づいて食べるのをやめることができる。
一方、ベルトのいらないスウェットなどを着ていると腹まわりの変化に気づかず、体重が増えやすい。
ちなみに、研究によると、「ぜったいに食べない」などのは自分との約束はほとんど効果がない。
人間の特性や自分自身の性格を踏まえた上で、悪循環を回避した適切なダイエットを行うことが重要である。
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